追熟の必要な果物と完熟もぎたてが美味しい果物の違いをネット上で調べていたら、
興味深い論文(東京大学大学院深野助教)を見つけた。
「果物は種子散布者への報酬」という誠に新鮮な知見。
収穫後に成熟が進む追熟型果実と収穫すると成熟が進まない非追熟型果実があり、
追熟型は種子が大きめで地上徘徊性動物に報酬を与え、非追熟型は種子が小さめで、樹上で鳥類などに報酬を与えているという論理展開。
確かに葉の反対色である赤・橙系の実を付けるものは鳥類のターゲットになり、
茶や緑系統の色で樹上に紛れて樹になっているものは、狸や猪のターゲットとなる。
種無しで皮ごと食べられ、その上、栽培が比較的容易な果物が持て囃される昨今。
彼らは生態系から外れ、自然界での生存競争とは別に存在する「純作物」「ペットフルーツ」となったのかもしれない。